シアトルぐらしのソフトウェアエンジニア

シアトルで暮らすソフトウェアエンジニアが、海外生活についてお届けします。

シアトルのアパート探し

2019年1月は会社が割り当ててくれた仮の住まいがあるのですが、1月末で退去になるのでアパートを探しています。まだ契約は終わっていませんが、だいたいの目星が付いたので探す際のTipsを記します。

不動産屋選び

シアトルに限らずアメリカでは、日本のような複数の管理会社にまたがって不動産を探してくれるような不動産屋はあまり存在せず、自分で大家または管理会社に連絡をして内見の予約をしたり、契約をしたりします。どの物件が空いているかは、インターネット上で検索をするほか、直接住みたいところの近所を回って、「Now Leasing(入居者募集中)」の看板を直接探して連絡をする方法があります。また、REINSのような一箇所ですべてが見れるようなデータベースも存在しません。

私は今回は使っていないのですが、シアトルには希望の条件を伝えると複数の不動産サイトから条件の合う物件を見つけて、車で案内してくれるサービスを提供している業者があります。3時間で450ドル、5時間で650ドルと決して安くはないのですが、日本の仲介手数料を考えるとこんなものでしょうか。内見のアポイントメントを1日にまとめてくれて、車で一気に回れるので効率が良いと聞きました。

 

www.seattleapartmentfinders.com

不動産情報サイト

いくつか種類があって出ている物件は似通っているのですが、大家が自分で投稿するために一部のサイトにしか情報が出ていなかったり、更新が遅かったりするので、複数見比べるのが良いと思います。

Zillow

https://www.zillow.com/seattle-wa/apartments/

見やすさとフィルターの豊富さで、このサイトを一番良く使っていました。情報の網羅性も高いと思います。モバイルアプリも良くできていて、iPad にいれると寝転びながら大きな画面で見れるのが重宝していました。Android のアプリは Google Play の国を US に変更しないとダウンロードできませんでした。

Trulia

https://www.trulia.com/for_rent/Seattle,WA/

掲載物件数は Zillow より少ない気がしていますが、犯罪発生率や通勤時間、デモグラフィックスなどの情報をオーバーレイ表示することができて、地域の情報をより広く知ることができて重宝しました。

Padmapper

https://www.padmapper.com/apartments/seattle-wa

勧めてくる人が多いサイトでしたが、今回はあまり使いませんでした。

Apartments.com

https://www.apartments.com/apartments/seattle-wa/

物件の細かい情報が載っているので、Zillow で検索した物件で、Zillow に載っていない情報を探すときに使ったりしていました。あとここのレビューは結構参考になります。

Craigslist

https://seattle.craigslist.org/d/apts-housing-for-rent/search/apa

あの有名な Craigslist にももちろん不動産情報コーナーがあります。 ただ UI がそんなに使いやすくなく、重複した情報があったりと使い勝手にかけます。掘り出し物があるかもしれないので、どうしても住みたいエリアがあったり、いくつか物件やエリアを絞ったあとで周囲に見逃している物件が無いかを確認するのに使いました。

Google Maps

不動産情報サイトではないのですが、物件の名前や住所を入れるとレビューが出てきたり、細かい場所がわかったりします。周囲の状況をストリートビューで確かめたりできるので便利です。

Yelp

こちらも不動産情報サイトではないのですが、アパートの名前を入れるとレビューが出てくるのでよく確認しましょう。管理会社がイケてないところに引っ越すと後々大変という話を聞きました。

内見の予約の仕方

上記のアパート情報サイトや、物件のwebページで予約できるところも多いですが、一番早いのは電話することです。直接物件の管理事務所(Leasing office)に電話して、アポイントメントを取りましょう。

管理人が常駐しているような物件では、そのまま管理管理事務所を予約無しで訪れて、「入居者募集中の看板を見たんですが今日は見れますか? (I saw the now leasing sign and am wondering if you'd be available for a tour today?)」などと聞くと、特に予約で埋まっているとかでなければすぐ見せてくれます。私は電話が苦手(日本語でも英語でも心理的に苦手です)なので、この方法をよく取りました。もし空いてなくても「明日午後ならいかがですか?」などの提案をしてくれました。

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入居者募集中の看板

物件によっては内見時にIDが必要なことがありますので、パスポートは持ち歩きましょう。

申込みに必要な書類と費用

私が聞いた物件では、パスポートとUS法人のオファーレターがあれば応募できるところばかりでした。海外から来たばかりなのでソーシャルセキュリティ番号(SSN)や運転免許証が無いことはわかっているので、そこは気にされなかったです。また、多少デポジットは余分に取られますがクレジットヒストリーが無いのも致命的ではありませんでした。たぶんこれはシアトルが海外から移住してくる人が多いからだと思います。ある管理人さんも「AmazonFacebook がどんどん海外から人を採用しているから、気にしなくて大丈夫」と言ってました。

実際の申込みはwebまたは書類で行います。申込みの際に手数料(application fee)が必要で、これは入居者一人につき数十ドルというところが多いです。また物件によっては手付金(application deposit)が必要で、これは正式に賃貸契約を結べば敷金に充当されるが、もし申込みをキャンセルした場合には返ってこない性質のお金です。支払いは銀行口座の情報を伝えるか、クレジットカードやデビットカードで払えるところが多いようでした。

日本のように仲介手数料や礼金は通常不要です。敷金は物件によりますが、数百ドルと固定のものから2ヶ月分(first & last month + security deposit)程度のものまでいろいろです。何もなければ退去時に返却されます。日本と比べると安く感じますね。

物件を見るときに着目すること

物件を見るときに着目することは日本と変わらないと思います。一日の違う時間帯に訪問するのはもちろんのこと、ごみ捨てのしかたも物件ごとに違ったりしますので、気になることはどんどん聞きましょう。共用設備についても、予約は必要なのか、別途費用は発生するのかなど確認すると良いと思います。

家賃

家賃を確認するのは当然ですが、日本と大きく違うのは更新時に毎回値上がりすることです。それも数百ドル(数万円相当)値上がりすることも珍しくありません。数年住むのであれば予算ギリギリの物件を探すのではなく、家賃の値上がりも考慮したところにしましょう。

フリーレントなどの条件

特に新築物件に多いのですが、物件がある程度埋まるまでキャンペーン的に「1ヶ月家賃無料」などの特典がつくことがあります。フロアや部屋によって条件が異なったりしますので、賃貸情報サイトにあったからといって安心せずに見学の際に確認しましょう。

私が見た中でユニークだなと思ったのは「モデルルームに使っていた部屋で、家具をそのまま使うか、もしくは6週間のフリーレント」というものでした。また、見学したときに「今から48時間以内に決めてくれれば8週間のフリーレント、その後だと6週間になります」と言われるようなものもありました。

解約条件

日本では入居者の権利が強く、だいたい1ヶ月前ぐらいに解約通告を行うと追加費用無しに出ていくことができますが、アメリカでは契約期間中の退去には追加のお金が発生することが多いです。通告時期にかかわらず手数料として数カ月分の家賃相当が発生したり、次の入居者が決まるまでの家賃を負担したり、そもそも途中解約できなかったりします。賃貸情報サイトには書いていないことが多いので、きちんと確認しましょう。

その代わり契約期間を比較的自由に選ぶことができます。ただし短めの期間を選ぶと家賃が高くなったり、フリーレントなどの特典がつかなくなったりもしますので、そこもよく確認しましょう。

高速インターネットが使えるか

アメリカではDSLやCATVによるインターネットが一般的ですが、シアトルでは光ファイバーが入っている物件がわりとたくさんあります。1 Gbps の接続が使えて評判が良いのは Wave G と Cascadelink の2つのISPです(Cascadelink が Wave に買収されて、今は同じ会社です)。対応している物件一覧がありますので、気になる物件があれば一覧に含まれているか確認しましょう。

 

waveg.wavebroadband.com

www.cascadelink.com

大麻の匂い

ワシントン州大麻が合法ですので、アパートの中で吸っている人がいます。地域によっては通りを歩いていると大麻の香りがしますし、下の階のベランダから匂いがただよってくる場合があったりすると聞きます。あの独特の匂いが苦手な場合は、禁煙の物件かどうかを確認する必要があります。

犯罪発生率

上記のTruliaの他、シアトル警察署が犯罪発生マップを持っていて、過去24時間の911通報が見れますので、時々見ていると犯罪の起こりやすい地域がわかると思います。

www.seattle.gov

基本的には不動産の価格と犯罪発生率は反比例します。通りを一つ隔てただけで雰囲気が全然違うことがあるので、よく確認しましょう。

騒音

シアトルでの最大の騒音発生源は街の中央を南北に横切る I-5 です。これが曲者で、高層アパートになると上層階になっても I-5 側に面していると高速道路の音が聞こえてきて、低層階のほうが静かなことがあるほどです。次にうるさいのは上空を飛ぶ飛行機ですが、これは割とどうしようもありません。あとは交通量の多い道路に直接面していなければ、二重ガラスが多いのでそんなに気にならないと思います。

騒音の大まかな目安は RentLingo のヒートマップで確認することができます。

www.rentlingo.com

 

以上のようなツールを使いながら家を探していくことになります。このブログを書いている時点ではまだ契約に至っていませんので、契約したら続きを書こうと思います。