シアトルぐらしのソフトウェアエンジニア

シアトルで暮らすソフトウェアエンジニアが、海外生活についてお届けします。

アメリカでの携帯電話の契約

スマートフォンが便利すぎて、何をするにもスマートフォンがないと難しいようになってしまいました。というわけで、銀行口座よりも真っ先にほしいのが携帯電話の回線だと思います。幸いにして私自身は仕事でずっと使っている Google Fi の回線があったので困らなかったのですが、私のパートナーは日本の回線しか持っていなかったので、アメリカの携帯電話会社と契約する必要がありました。

キャリア

日本ではドコモ、auソフトバンクが代表的なMNOキャリアですが、アメリカでは Verizon, AT&T, T-Mobile, Sprint が代表的なMNOキャリアです。どのキャリアも、通信量無制限プランと、数GBまでの制限があるプランを用意しています。また、日本のような月締めの後払いプランと、プリペイドプランを選ぶことができます。

日本と大きく違うのは、各社無制限プランを推してはいるものの、動画をストリーミングすると強制的に画質が変わるところです。安いプランだと480pのものが多く、上位のプランにすることによってHDまでは再生できたりします。また、一定の通信が発生したあとは速度が低下しますので、日本の感覚であれば制限付きと言えるでしょう。

Verizon

アメリカ最大手の携帯通信キャリアで、最も多くのユーザーと広い通信エリアを持ちます。ドコモのような存在ですね。値段が高い代わりに通信品質も良いと評判です。山にキャンプに行くのが趣味の同僚は、山間部でもつながりやすいことを理由に Verizon を使っています。昔はCDMA2000を使っていましたが、今では4G LTEがほとんどのエリアで利用でき、SIMフリー機をそのまま持ち込んで問題なく使うことができます。

メリット: 最も広い通信エリアを持つ。ほとんどのエリアでLTEが使用可能。

デメリット: 他のキャリアより少し高い。海外ローミングプランが弱い。

www.verizonwireless.com

AT&T

アメリカ第2位の携帯通信キャリアで、 Verizon に次ぐユーザー数と通信エリアを持ちます。実は Verizon と AT&T はもともと同じ会社だったのですが、分割されて今に至っています。一番高い無制限プランを契約すると、HBO や Amazon music などの有料番組を一つオマケでつけてくれるのが特徴です。また、プリペイドプランでもカナダとメキシコでもローミング料がかからずに利用できるので、国境付近に住んでいる人であればメリットが大きいです。

メリット: それなりに広い通信エリアを持つ。Verizon よりは安め。プリペイドプランでもカナダとメキシコで使える。

デメリット: Verizon よりはエリアは狭い。

www.att.com

T-Mobile

T-Mobile は第3位の通信キャリアで、ユーザー数とエリアもVerizon、AT&Tに次ぎます。Google Fi の後側も T-Mobile が一部使われています。無制限プランで Netflix Standard が無料で使え(差額を払うと上位プランも使えます)、海外でも速度は 128kbps ながら追加料金無しで使えるのが大きな特徴です。また、飛行機のうちGogoが提供する機内Wi-Fiとも提携していて、無料で使えます。

メリット: 海外でも遅いながら使えるのは大きなメリット。Netflix を使う人であればさらにお得。

デメリット: Verizon や AT&T よりも少しエリアが狭い。

www.t-mobile.com

Sprint

ソフトバンクが買収したことで日本で一躍有名になりました。アメリカ第4の携帯通信キャリアで、ユーザー数、エリアも上位3キャリアに続きます。エリアが狭い代わりに通信費も安めです。無制限プランだとHuluがついてきて、さらに最上位プランだとAmazon Primeもついてきます。

メリット: 通信費が安い。

デメリット: エリアが狭い。シアトル市内でも圏外になることがあると聞きます。

www.sprint.com

Google Fi

Google が提供している携帯プランで、アメリカ国内では T-Mobile, Sprint, U.S. Cellular の3社を切り替えて使ってくれます。最も大きな特徴は世界170カ国以上で $10/GB で通信ができることで、海外に行って空港に着いた瞬間から手続き無しに普段通りデータ通信ができて非常に便利です。月6GBを超えるとそれ以上はデータ通信量がかかりません。複数人で共有することもできるので、家族で使うとそこそこお得に使えます。

メリット: 世界中ほぼどこでも使える。

デメリット: 通信エリアは Verizon より狭め。6GBまでは少し割高。

fi.google.com

その他

日本と同じようにたくさんのMVNOキャリアが存在し、MVOよりも安いプランを提供しています。

The Best Prepaid Cell Phone Plans (for $60 or less): January 2019

プリペイドかポストペイか

アメリカではプリペイド携帯が日本よりも広く使われていて、クレジットチェック(信用情報の確認)無しに簡単に契約することができます。プリペイドでは本体を通常一括で購入する必要がありますが、私のようにアメリカ国内での信用情報がなく、分割を組めない人にとっては非常に良いプランになります。

ポストペイのプランを渡米後間もなく契約しようとすると、多額のデポジット($200-$500程度)を要求されます。これは1年間支払いに問題がないと返金されますが、何かと物入りのときには痛い出費でしょう。

また、ポストペイの場合はデータの繰越ができたり、家族間でデータ容量の共有ができたりしますが、無制限でない場合は少し割高のように思います。プリペイドは毎月払いきりです。

2年契約って無いの?

本体を一括で購入していれば2年契約はありません。いつでもプランの変更やキャリアの変更が可能です。また、Verizon や T-mobile では2年契約での割引がそもそもありません。その代わり毎月の費用が安くなっています。

引っ越したばかりでクレジットスコアが無い場合は2年契約は難しいので、こちらのほうがありがたいとも言えます。

本体の購入方法

キャリアから購入することも可能ですし、街中の電気店Apple StoreGoogle Storeなどから購入できます。値段は変わらないので、SIMフリーなものを直接購入したほうが何かと便利だと思います。

キャリアで購入する場合は、下取りなどのキャンペーンを適用すると少し安くなることがあります。私たちは Apple Store で本体を購入しました。

日本で使っていた端末であってもSIMロックされていなければ、最近のほとんどの機種はアメリカでそのまま使うことができると思います。

実際の購入の流れ

まず本体を購入しに、Bellevue Square にある Apple Store に行きました。

goo.gl

そこで一括で、SIMフリーiPhone XS を購入しました。その袋を持って、そのまま同じショッピングモールにある Verizon のお店に行きます。

goo.gl

そこで、携帯を買ってきたので新しくプリペイドの契約をしたいと申し出ると、店員さんが手際よく申し込みを受け付けてくれました。全部で15分もかからなかったと思います。必要だったものは新しい携帯(特にIMEIが必要です)とクレジットカードで、身分証明書も不要でした。

契約したプランは、プリペイドの 8GB プランで毎月50ドルです。AutoPay という自動支払いのオプションを有効にすると、2ヶ月目からは45ドルになります。これで国内、カナダ、メキシコへの無制限通話とSMS、テザリングオプションが付いてきます。アメリカ国内でしか使わないのであればそこそこリーズナブルだと思います。

残念ながら Verizon のプリペイドプランは、2019年1月現在 eSIM に対応していないので、物理SIMをもらいました。こちらを eSIM にできると、日本の SIM カードと共存できて便利なのですが。

Bellevue Square は車で行けて、屋根のあるところで複数の手続きが完了するのでとても便利でした。

今回は通信エリア優先で試しに Verizon で契約しましたが、月単位で契約変更が可能なので、もし海外で使えないことが不便であれば他のキャリアに乗り換えようかなと思っています。